シナリオ・素材とアイデア|20枚シナリオの書き方事講座

お気に入りへのご登録はお済ですか? ⇒ 

素材とアイデア

発想の出発点は、大きく3つあると前に説明しましたね。
しかし、出発点から到着点まで道のりは案外遠く険しいものです。今回は、どうすれば素材をシナリオの根本となるアイデアまで導くことが出来るのかお話しさせて頂きたいと思います。



■素材を集めよう!

いざ机に向かうと、どうも面白いアイデアが浮かばないという方は多いと思います。アイデアが自然とどこからともなく湧いてくることはありません。机の前で唸っていてもなかなか良いアイデアが思い浮かぶものではありません。
今、もしアイデアに飢えているのなら、慌てることはありません。ほとんどの作家も最初はそういうところからスタートしています。
まずはネタになりそうな素材をあちらこちらから拾い集めて下さい。
新聞、インターネット、本、人の噂などから心に残る素材を日々ノートにメモしていって下さい。記憶だけでなく、書くことでしっかりと後でネタを視覚化して見比べることが出来るようになります。メモをする時点では、それが直接どのようにストーリーに反映させられかということまで考える必要はありません。



とにかく、皆さんが興味を持ったことを毎日ズラズラ書き並べるだけで構わないのです。
しばらくして、それをもう一度見比べて下さい。何が使えそうで何が使えなさそうか何となく判別出来るかと思います。さらには、おぼろげではあるけれどいくつかの具体的なイメージが湧いてきませんか?
普段からこのように素材を集めておくことが大切です。どんなプロの作家であれ、そういった日々の努力を行なっていなければ良いアイデアは生まれてこないものです。

 

素材を吟味する!

集まった素材を作品に活かすべきか否かを判断するのは皆さんです。

その判別をするには、皆さんの作家としての目線が大切です。これは、前回もお伝えした通り、皆さんが書きたいと思えるもの、かつ他の大勢の方々に楽しんで頂けそうなものを選んで下さい。
それには今、描くべき旬のネタであることがベストでしょう。シナリオは、ストーリーが面白いだけでなく、ヒットしそうな要素や高視聴率が取れそうな要素が無ければなかなか作品化にはいたりません。誰もが見たくなる<旬>の要素が常に必要になってきます。
旬といっても、流行を追ったネタという意味ではありません。未だスポットが当てられていない興味深い職業や、今だからこそ見直される価値観なども<旬>と呼べるものではないかと思います。



また、事件や事故のネタならば、それを疑ってみる方法もあります。本当にそうだろうか。本当は隠された真相があるのではないだろうか。




周囲の出来事も疑ってみることで、新しいネタに成りうる場合もあるのです。



例えば「3億円事件」という素材は、新しいネタとは言えませんが、そこに作家としての疑いの目線を向けてやることで次々と新しい映画やドラマ、マンガが生まれています。
さらに、複数の素材を合成させる方法もあります。異質の2つの素材を組み合わせることで見たこともない面白いネタにしていくのです。この方法がもっとも活きるのが、2つの素材が全く真逆にすることです。
例えば、泥棒と神父は全く真逆な素材ですよね。
平成の大泥棒を書こうとしても、どこかありきたりな内容になりそうですが、実は彼の正体は神父さんだとしたらちょっと興味がわきますよね。
そういう風な発想から、ヤクザ+女子高校生=『セーラー服と機関銃』のような傑作も生まれています。
ぜひ、一度はこの発想法を試して下さい。
“オタク+エリート弁護士”や“占い師+科学者”、“中年サラリーマン+忍者”などいくらでも思いつくと思います。

 

リサーチを怠るな!

■せっかくよいテーマや、モチーフ、素材がみつかっても

それだけで良い作品になるとは限りません。どこか、嘘っぽい、リアリティに欠ける作品に出会うことがあります。
リアリティのない作品は、リサーチ(取材)不足がその背景にあると思われます。
特に初心者の方々は、早く仕上げようと気持ちがはやり、自分の知っている情報だけで作品を終わらせる傾向が強くあります。
例えば刑事モノなら、徹底的にその周辺を調べて下さい。特に近年は刑事モノが乱立していますが、よりリアルな内容が好まれるようになり、視聴者の眼も肥えてきました。捜査手順が一つ間違っていても鋭い指摘がされるようになっています。熱血刑事がルール無視で自由奔放に大活躍するドラマなど、最近では見掛けなくなりましたよね。



基本的な情報はもちろんのこと、最新の科学捜査や犯罪心理学、さらには主人公の趣味や特技、舞台となる地域の情報なども可能な限り、リサーチして下さい。
何気に調べておいた主人公の趣味が、後の捜査の手掛かりとして活きることもあるのです。
特に、職業モノや事実を元にした作品は、詳細なリサーチを行なう必要があります。
調べれば調べた分だけ面白くなるといっても過言ではありません。
しかし、徹底したリサーチをしたからといっても、それを詰め込み過ぎては本末転倒です。
実際にシナリオに書く際には、リサーチした情報を必要なだけで適度に使って下さいね。



■ リサーチの方法

リサーチ(取材)で最も手っ取り早いのがインターネットを使った調査です。
私は、過去にテレビ番組のリサーチャーとして活動していたことがありますが、基本はインターネットを利用していました。インターネットには、有料・無料の各種データサービスが存在しますし、時間的にも短時間で済むのが利点です。
ただし、インターネット上には誤った情報が数多く掲載されています。出典元が不明確な情報は、参考として捉え必要があれば書籍等で裏取りをしましょう。
もちろんインターネットでは調べられない事項も数多くあります。取材と言っても、見知らぬ相手に電話をして尋ねるのは気が引けますが、どうしても知りたいことがある場合は、常識の範囲内で問い合わせても構いません。
インターネット以外では、皆さんの地域にある中央図書館や博物館、都内であれば国会図書館、過去の雑誌記事なら世田谷区にある大宅文庫なども便利です。
リサーチで得た情報は、なるべく整理して保存しておきましょう。

おすすめの書籍とサイトはこちら