キャラに惚れさせる|20枚シナリオの書き方事講座

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第18回:”キャラに惚れさせる秘訣とは?”

■前回はギャルゲーを例にあげて

いかにプレイヤーの興味をヒロインキャラに惹くかが重要であると言いました。

 

筆者自身はキャラクターと世界観は不可分のもの=そのどちらもが物語というシステムを構成するいわば両輪であり、片方だけを主体として成立するものではないという立場を取っていますが、こと、オタク系カルチャーに属する作品群に関して言えば、キャラクターにその重要性の比重が傾いていることは否めません。
”ジャケ売り”という言葉がありますが、ビジュアルをその大きな要素とするゲームにあっては、なによりも”見た目”がまず商品としてのポイントになることは確かです。



かつて、まだコンピュータやゲーム機の性能が十分発達していなかった時代、ゲームはまずその”遊び”としての機能が最も重視され、ビジュアルは二の次であるとされていました。
現在でも、ゲームは”遊び”であり、ビジュアルに偏重した現代のゲームは、その本質が失われているとする考え方を持つ人は結構いるようです。



■本当にそうでしょうか?

確かに、一時期流行した”ムービーゲー”と呼ばれるタイトルには、ゲームの流れとは無関係にそれを断ち切る形で挿入される映像でイベントやドラマを語ってしまい、ゲーム本体がその添え物でしかないと言えるものがあったのも事実です。
しかし、パソコンやゲーム機の発達により、まるでムービーのようでありながらプレイヤーが操作可能なイベントシーンや、ゲームプレイそのものに、映画的なアングルや演出そのものが組み込まれているタイトルも珍しくなくなってきました。
ゲームを、観客をより主体的にその表現する世界に引きこむ表現方法と捉えるなら、それはビジュアルがゲーム性そのものを担う骨格として成立しているとも言えるのではないでしょうか?

ホラーゲーム『サイレントヒル』では

ホラー映画を意識したカメラアングルが用いられており

それがプレイヤーの没入感や恐怖感を助長する要素になっていましたが、後年、このゲームを原作とする映画の中で、それとそっくりなカメラアングルが演出として用いられていたことは、非常に象徴的であったと言えるかもしれません)
ギャルゲーについて言うなら、プレイヤーの意識を惹くヒロインの最大の要素は、その見た目=容姿に他なりません。



SF翻訳家であり作家でもあった、故野田昌宏氏の有名な言葉に『SFは絵だねぇ』というものがあります。文字通り、SFの魅力は最終的にはそのビジュアルに集約されると言う意味ですが、SFに限らず映画を初めとしたビジュアルを伴うあらゆる創作作品とは、最終的にはその絵=見た目に依存すると言っても間違いないでしょう。
こと、ギャルゲーを創るなら、そのキャラクターデザインこそが、まずプレイヤーの意識を惹きつける最大のポイントであることは、否定し得ない事実なのです。



■筆者がかつて制作を参加したあるタイトルでも

元々端役に過ぎなかったあるキャラクターのデザインが極めてキャッチーにして強力であったことから、本来メインヒロインに予定されていた別のキャラクターとの立ち位置を交換、結果的にシナリオ全体を見直したことがありました。
魅力的なビジュアルを持つキャラはそのことがすでに、ひとつのドラマ性を有していることにもなるのです。
状況によって違いはあるでしょうが、多くの場合、ゲーム制作はシナリオのみならず、ビジュアルやサウンドなど、それぞれのパートを担うメンバーが集った状態から開始されるはずです。



そこがシナリオを担うあなたの、腕の見せどころです。キャラデザインの担当者に、いかにそれぞれの登場人物……なかでもヒロインの魅力を伝え、よりよいデザインを導き出すかは、あなた自身の想像力や、担当者との交渉力にかかっていると言えるのですから。
次回からは、筆者がこれまでに見た、特徴的なシナリオを備えているゲームタイトルについて、実例を上げながら解説していく予定です。

 

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