ゲームとシナリオの関係|20枚シナリオの書き方事講座

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第5回:”ゲームとシナリオの関係について”

■私は主にノベルゲームと呼ばれるジャンルのシナリオに携わってきました。

ノベルゲームというのは、非常に大雑把かつ簡単に説明するなら『分岐する小説』で、サウンドノベル、デジタルノベル等の呼び名があります。古くはアドベンチャーゲームとも呼ばれていたこともありますが、現在ではアクションアドベンチャーと呼ばれるジャンルとの混同を避けるためか、あまり用いられていないようですね。
(厳密に言えば、もともとアドベンチャーとノベルゲームには大きな相違点があるのですが、画面から受ける印象が良く似ているため、両者が混同されたのではないかと推測します)



ノベルゲームは、コンピュータゲームにストーリー性が導入されていく過程で、特にストーリーに特化し、それ自体を楽しませることを目的として誕生したジャンルです。コンピュータゲームの黎明期には、画像を伴わずに文章だけでゲームが進行するテキストアドベンチャーと呼ばれるジャンルが存在していましたが、これは現在のゲームが画像や映像で描写するイメージやゲームの進行を、当時の画像描画性能の低いパソコンのレベルに合わるため、文章による説明に置き換えたものでした。今のノベルゲームのように、ストーリーやドラマを小説のように読ませるものとは、基本的に違っています。



黎明期のコンピュータゲームにはストーリーは基本的に存在しませんでした。
正確な記録が残されている世界初のコンピュータゲームは、1952年、ケンブリッジ大学にあったコンピュータ、EDSACで制作された『◯×◯』と呼ばれるプログラムだったと言われています。いわゆる三目並べ(マルバツ)ゲームだったそうです。以降、コンピュータの普及、特に家庭向けのゲーム機の普及により、さまざまなジャンルのコンピュータゲームが登場しますが、明確なストーリー性を持ったゲームのヒットは、1980年に発売されたロールプレイングゲーム『ウルティマ』の登場を待たなければなりませんでした。

「テレビゲーム」の爆発的ヒットと普及に最も貢献したのは

■なんと言っても1978年の『インベーダー』でしょう。

『インベーダー』は、プレイヤーの操作する自機と呼ばれるユニットで飛来する敵を撃って倒す、シューティングゲームの開祖とも言える存在で、それ以降、『ギャラクシアン』『スクランブル』『ムーンクレスタ』等のシューティングゲームが次々と登場します。
シューティングゲームの流れを劇的に変化させるきっかけとなったのは1983年に登場した『ゼビウス』です。『ゼビウス』は画面背景が縦方向に上から下へと流れる、いわゆる縦スクロールゲームの元祖として知られますが、同時に、それまでのゲームから飛躍的に進歩したグラフィックで描かれる謎に満ちたストーリーが取り入れられたゲームとしても評価されています。



お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、コンピュータゲームにおいてストーリー性が重要なファクターとなる過程はコンピュータやゲーム機の性能の向上とリンクしていると言えます。画像や映像の表現力が向上するにつれ、キャラクター自体も緻密に描写されるようになり、それが受け手(プレイヤー)の意識を変化させ、ゲームのキャラクターに対し、その内面性=意識や人格をより緻密に描くことを求めるようになったのではないでしょうか。
より高性能なマシンの環境と、それに伴うビジュアル面の飛躍的進歩が、ストーリーを表現するメディアとしてのゲームという、ただ遊ぶ為のものから、小説や映画のような鑑賞対象としての筋道を与えました。ここから、ゲームは新たに、ストーリーをプレイヤーに追体験させるという目的を持つようになっていくのです。



ゲームと言えども、それがストーリーである以上、ゲームシナリオもまた、小説や映画のシナリオと基本的な構造に違いはありません。そのことは前章からも触れてきた原則です。ですから、次のステップに入る前に、まずは、ストーリーを構成する基本として、小説や映画のシナリオの書き方を学んでおきましょう。
次回はゲームシナリオの最大の特徴『分岐』について、説明してまいります。

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