シナリオ・コンクール入門|20枚シナリオの書き方事講座

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コンクール入門

■目標を持って書こう!

20枚シナリオは無事に書き終えましたか? 最初はおっかなびっくり書き始めたシナリオも書き終えてしまえば案外簡単だと感じた方も多いでしょう。また、20枚という限られた枚数に苦労された方もいらっしゃることでしょう。
いずれにせよ、短編シナリオであっても作品を一本書き終えた時点で、皆さんはシナリオライターのスタートラインに立ったわけです。
これからも皆さんには、ぜひ書き続けて頂きたいと思います。



ところが、このシナリオのやっかいなところは、映像化されない限りなかなか陽の目を見ることがないという点です。
小説ならば、書き終えればそれ自体が作品ですから、友人や知り合いに読んでもらったり、あるいはWEBサイトなどで公表すれば大勢の方々に読まれて、それなりの評価を受けることも可能です。
しかし、シナリオはあくまで設計図です。映像化を前提に様々な工夫がなされたシナリオは、その作法を全く知らない一般の方が読んでも正当な評価は下せません。もちろん、ストーリーの良し悪しは伝わると思うのですが……。
一本や二本のシナリオで傑作が書ける方は殆ど今せん。書き続けることで、シナリオは確実に上達するものです。目標が無ければシナリオを書き続けることは非常に辛くなってくることでしょう。



私自身の経験からしても、書き始めて何年かで書かなくなりました。最終的には、どうしてもプロになるんだという強い意志が結実しましたが、まだ私のキャリアもスタートラインを少し越えたばかりです。
これから書き始める皆さんは、ぜひシナリオコンクールに挑戦して欲しいと思います。さらに、自信がつけば積極的にプロを目指すことを歓迎します。そういう意志が強ければ強いほど上達出来ますからね。どうか皆さん、今の書きたい気持ちを忘れず自信を持って書き続けて下さい。

様々なコンクール

シナリオコンクールといっても、幾つかのタイプがあります。
皆さんの志向にあったコンクールにぜひ挑戦してみて下さい。



@テレビ局などが主催するドラマ系コンクール

これは、放送局や制作会社などが主催、共催、後援をする部類のシナリオコンクールです。
枚数は概ね400字詰め原稿で50〜60枚程度。テレビ局の主催するコンクールは、テレビを意識して下さい。つまり、どちらかと言えば旬の感性のある大衆向けの作品ですね。独りよがりな作品はもちろんのこと、奇を衒った複雑でマニアックな作品も向いていません。それから、大賞は映像化される場合可能性が高いのですから、予算的に不可能であろうSF超大作や歴史大河モノなども避けるべきです。
さて、これらのコンクールの利点は、大賞を受賞すれば即映像化のチャンスがあることです。さらに受賞後は、その後もプロも続けていくチャンスを得られます。
さらに魅力的なのが、非常に賞金が高額な点です。大賞を受賞すれば、それから一年以上はそれだけで暮らしていくことも可能でしょう。
もっとも、それ以降もシナリオを書き続けられるかどうかは本人の努力次第です。賞を取ってもプロとしてやっていける保証は何もありません。
一方で、マイナス点として挙げられるのは、非常に応募者が多く一次選考の時点で大半が落とされてしまう点です。



・フジテレビ ヤングシナリオ大賞

・テレビ朝日 21世紀新人シナリオ大賞

・TBS 連ドラシナリオ大賞

・創作テレビドラマ大賞(後援:NHK NHKエンタープライズ)

・橋田賞新人脚本賞(主催:橋田寿文化財団)

※過去には、日本テレビが主催していた「シナリオ登竜門」もメジャーコンクールとして存在していました。橋田賞はテレビ局主催ではありませんが、テレビドラマのシナリオのみを募集しているのであえてこちらの部類に加えました。



A製作会社、作家団体、教育機関などが主催する映画系コンクール

この分類のコンクールは、作家団体や製作会社が主催するものを中心に映画系のものが多いのが特徴です。概ね2時間モノ(400字詰めで120枚程度)を中心に募集しているのがテレビ局系のコンクールとの大きな違いです。ダイナミックなストーリーテリングを楽しめる重厚な作品にも十分チャンスがあります。
中でも城戸賞は映画系のシナリオコンクールの中ではもっとも権威のある賞だと言われています。過去の受賞者にもそうそうたる顔ぶれがあります。



WOWOWは、二時間モノでは珍しくドラマ化されるチャンスがあるのが特徴です。ドラマといえども地上波と違い応募する作品もどちらかと言えば映画的なもので、あまりテレビドラマを意識する必要はないでしょう。しかも、過去の受賞作は映像化された後にDVD化もされています。新人シナリオコンクールは、昭和26年に始まった日本最初のシナリオコンクールです。受賞しても映像化されることはありませんが、月刊シナリオ誌にシナリオが掲載され多くの人に読まれることでチャンスが広がります。
シナリオS1グランプリは、この部類の他のコンクールとは違い、テレビドラマ寄りのコンクールです。二時間部門もありますが応募者数は圧倒的に1時間ドラマ部門が多いです。この賞の特徴としては、1〜4次、最終選考と全て結果を発表してくれる点です。賞金は少ないのですが、しっかりと1作ずつ読んで評価してくれるので応募者側には非常にありがたいコンクールです。初めてコンクールに応募される方には大変におすすめです。



・城戸賞(主催:城戸賞運営委員会)

・WOWOWシナリオ大賞

・新人シナリオコンクール(主催:社団法人シナリオ作家協会)

・シナリオS1グランプリ(主催:シナリオ・センター)



B地方の映画祭などが主催する自主映画系コンクール

他には、自主映画祭などで応募するシナリオコンクールもあります。
比較的応募者が少ないので受賞のチャンスが比較的高いのですが、やはり実力が無ければ入賞できません。また、プロになる足がかりとして弱いのもマイナス点です。
しかし、回数を重ねることで以下のコンクールなどは次第に有名になってきました。
力試しに応募するには最適なコンクールとも言えます。
また、毎年新しいシナリオコンクールが誕生していますので、まめにインターネットでチェックしていれば応募したいコンクールがきっとみつかると思います。



・富士山・河口湖映画祭 シナリオコンクール

・函館港イルミナシオン映画祭 シナリオ大賞

・伊参スタジオ映画祭 シナリオ大賞

自主映画を創る!

■シナリオコンクールは、実力と運がモノを言います。

実力があってもなかなか賞には縁遠い人もいます。それならば、いっそう自分でシナリオを映像化する方法もあります。
近年は、非常に高画質なビデオカメラが普及し、比較的安価なパソコンでも十分編集に耐えられるようになりました。今ほど楽に自主映画が創れる時代はありません。
もし、興味があるのなら映像作品を創ることを一つの目的にシナリオを書く道もありますよ。実際に最近では自主映画出身のシナリオライターも誕生しています。
自主映画を創りたいと思っている人間は案外沢山いるものです。身近に仲間がいなくてもインターネットで募集すれば仲間もすぐに集まることでしょう。
実際に、私もコンクール派というよりは自主映画派でしたので、自主映画団体を結成して何本かは自分でも監督しましたし、他の監督と共同で作品を創りコンクールで入賞した経験もあります。シナリオは映像化されて初めて気付かされることも多いので、多少の時間とお金に都合がつけば挑戦してみる価値はありますよ。

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