ゲームシナリオ・ループについて|20枚シナリオの書き方事講座

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第8回:”普通のシナリオとの相違点A……ループについて”

■皆さんは”ループもの”と呼ばれる物語の類型をご存知でしょうか?

”ループもの”とは、何らかの理由で同じ出来事が何度も繰り返され、始めのうちはそのことに気づかなかった主人公等の登場人物もやがてそれに気づいて、その原因究明や、その状態からの脱出を試みる、といったパターンで展開する物語のことです。
元々はSF小説の中のタイムマシン等による時間遡行を扱った、いわゆる『時間テーマ』と呼ばれる作品群を指す言葉でしたが、日本(特にそのオタク・サブカル系文化圏)においてその先駆的かつ代表的作品として特筆すべき存在は、やはり1984年に公開されたアニメーション映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』でしょう。



その影響力は絶大で、以降、アニメやライトノベルといったジャンルで数多く『ビューティフル・ドリーマー』の影響を受けた”ループもの”が生み出されています。
記憶に新しいところでは『涼宮ハルヒ』の「エンドレスエイト」や『魔法少女まどか☆マギカ』などが有名ですね。
(オタク・サブカル系の作品群において、なぜループものが好まれ多くの作品が生み出されているかについては、著名な文化人を初め多くの人が考察を行っていますが、ここではその詳細に触れることは割愛します。興味のある方は、Wikipediaで”ループもの”を検索してみてください)

ゲームについての話に戻しましょう。

■実は、この”ループもの”の影響を最も強く受けたジャンルのひとつと言えるのが

ゲームの中でも、特にノベル系のゲームなのです。
元々、コンピュータゲームはその本来の構造自体から”ループもの”と親和性が高いと言えます。一見、ストーリー性が薄いスーパーマリオブラザーズのようなアクション系ゲームでも、同じ難所をリセットしては繰り返しプレイをするその事自体が、すでにループの状況を生み出していると言えます。



また、そもそもストーリーを表現するためだけのものではなく、本来は遊ぶためのものであるというゲームの本質そのものがループに繋がってる、といえるでしょう。一回クリアしただけでは見ることのできないイベント、入手できないアイテム、キャラクターなどが、周回プレイをする毎に新たに出現するという仕組み。ゲームを長く遊ばせるための、そうしたギミック(いわゆる『やりこみ要素』そのものが、実はゲーム自体をループ構造にしているのです。



このことの影響は当然、ゲームの構造や遊び方だけに留まるものではありません。そのゲームが繰り返し遊ばれるということは、プレイヤーがそのゲームのストーリーもまた、繰り返し鑑賞し体験することを意味します。そして、特に、それがストーリーそのものを鑑賞させること自体が目的でもあるノベルというジャンルにあっては必然の結果として、ストーリーそのものの構造やテーマとして意識されるようになったといえるでしょう。



同じストーリーが繰り返されること、それを前提としていかに受け手=プレイヤーを楽しませ、何度もプレイさせる動機を生み出すことができるか。それをストーリーにおいて実現することこそ、ゲームのシナリオのある意味では究極のテーマと言えるのかも知れません。
次回は、例を上げながらループの構造についてより詳細に考察していきたいと思います。

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