キャラルートについて|20枚シナリオの書き方事講座

お気に入りへのご登録はお済ですか? ⇒ 

第17回:”いわゆるキャラルートについて”

■ストーリーがどのような展開を見せるかは

その物語の主題(テーマ)によって決定されます。正義を貫く、ということが主題なら、主人公は悪を為す敵と戦うことになるでしょうし、自己探求がテーマであれば、主人公は敵のことなどお構いなく、自分が何をするべきかを探して彷徨うことでしょう。
”恋愛”もまた、古くからある物語の重要なテーマのひとつです。文学がさまざまなジャンルに分化していく中で恋愛小説が一大ジャンルとして確立したように、映画においても恋愛映画があるように。



オタク系ジャンルの作品群(コミック・アニメ・ライトノベル)においては、”恋愛”を主題とする作品は特にその需要が高く、主要なムーブメントとなってきました。やがてそれは、物語の中における受け手の感情移入の受け皿(読者や視聴者の代役)としてのキャラクター(男子向け恋愛モノであれば、ヒロインの好意の対象となる男子主人公)を排して、受け手の願望対象となる=”萌え”の対象となるキャラ(男子向けタイトルであればヒロイン)のみを描く形式へと特化されていきます。いわゆる、”ガールズトークもの””空気系”と呼ばれる作品群です。
あくまでこれは筆者の主観に過ぎませんが、主に男子をターゲットとする、いわゆる”萌え”系の諸作品が、物語性を重視する作りからヒロインと主人公との関係性、更にはヒロインそのものの描写へと特化してく過程においては、ゲームの存在が極めて大きな役割を果たしてきたと言えるでしょう。



■それは、いわゆる”ギャルゲー”の誕生とその進化のことを示します。

ギャルゲーの際立った特徴は、主人公とヒロインの関係が物語の展開の中で描かれるのではなく、二人の関係性そのものが目的として成立しえたことにあると言えます。
ドラマティックな物語の流れの中で、主人公とヒロインの関係が進展、あるいは破綻していくのではなく、二人の関係性が物語そのものとして描かれていく。しかもそのことが、世界=すなわちゲームそのもの(ゲームの目的そのもの)を構築しているという、ギャルゲーにおけるストーリーの特色は、そのままオタク系カルチャーの作品群に影響を与え、いわゆる”セカイ系”の作品を生み出す母体になったのではないでしょうか。



ガールズトークものや、空気系作品群も、ヒロインを物語の一部ではなく、それ自体が鑑賞と愛好の対象となるという意味では、非常にゲーム的(ゲームのプレイヤー視点からヒロインを見る印象)と言っても過言ではないと考えます。
ギャルゲーのシナリオにおいては、ヒロインとの関係を発展させること自体が物語の目的となります。初期の作品では、出会いからスタートし、恋仲となるまでを描くことが多いようでしたが、現在では最初から恋仲として成立している関係を描いたり、一旦破綻した関係を修復するなど、様々な描かれ方をしているようです。

いずれにせよ、ギャルゲーのシナリオにおいて

■主人公の行動動機とはつまり

ヒロインに対する好意そのものにあることには違いありません。主人公とはつまりプレイヤーである以上、ヒロインはプレイヤーの興味や好意を惹く存在として、最初からアピールする必要があります。
分岐後のストーリーの進展にも注意を払いましょう。これも初期のギャルゲーにおいては良く見られたことですが、そのヒロインとの関係を描くストーリーライン(いわゆる攻略ルート)に入って以降は、他のヒロインや登場人物がほとんど登場しないというケースがあります。



個別の小説や映画となれば話は違うかもしれませんが、ゲームとはあくまで複数のヒロインを始め、そのシステムを含めた要素全体で構成されるものです。ストーリーの進展と分岐の選択次第では、再びそのストーリーラインから離れてしまう展開も考えうるわけです。
恋人同士、邪魔するものはいらないという気持ちも分かりますが、シナリオを構成するにあたっては、そのルートにおいて攻略の対象とはならない他のヒロインの存在にも気を使い、必要に応じてストーリーに登場させていきましょう。
次回は、プレイヤーの視点をいかにヒロインに惹きつけるか、その方法について説明する予定です。

おすすめの書籍とサイトはこちら