シナリオ・セリフの書き方|20枚シナリオの書き方事講座

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セリフの書き方

■セリフについて

セリフとは、文字通り登場人物が話す言葉を指します。
セリフは、行の頭に登場人物の名前を書き、その下にカッコを書いてその内容を書きます。セリフが長くなり、改行する場合は2行目からは段落を1マス空けて下さい。続けて上から書くと読みにくくなりますからね。
また、“!”や“?”などの感嘆符の後も1マス空けて下さい。
そして、セリフの最後の丸“。”は省略して下さい。
これらは、全てシナリオを読みやすくするためのルールです。



また、通常のセリフ以外に、“モノローグ(monologue)”と“ナレーション(narration)”というものがあります。モノローグは、声には発しない心の声だと思って下さい。
一方でナレーションは、映像を補足・説明するための画面外からのセリフを指します。登場人物の一人がナレーションを担当する場合もありますし、ストーリーには絡まない第三者がナレーターを担当する場合もあります。
モノローグは、名前の後にカッコを書き、その中にMと書き込んで下さい。
同様にナレーションは、Nと書きこんで下さい。これで、通常のセリフとは違うということがはっきりわかります。この2つは、又の機会に詳しく説明します。

太郎「お母さん! なんでぼくのマンガを捨てたの? お小遣いを貯めてせっかく買ったマンガなんだよ。……あれは、ぼくの血と汗の結晶なのに」

   太郎、震える両手で顔を覆う。

腕組みをしたまま黙って太郎を見下ろしている花子。

花子(M)「……マンガくらいで何よ。きっと旦那に似ちゃったのね」



お分かり頂けましたでしょうか? セリフの書き方自体はそれほど難しいものではありません。

ここぞという時以外は本音を喋らせるな!

セリフは、もっとも馴染み深い部分だと思いますが技術的には非常に難易度は高いです。

初心者は、とにかく喋らせ過ぎる傾向にあります。ベラベラ思っていることを何でもかんでも喋り続けます。しかし、人はその感情や本音をべらべら話さないものです。
むしろ、好きなのにも関わらず何も言えない、好きなにも関わらず嫌いと言ってしまうところに、人の心の切なさや深みがあったりするのではないでしょうか。
ここぞという時以外では




本音を語らせないというのは魅力的なセリフを書くコツ。



感情は、セリフではなく映像で表した方が効果的だということを覚えておいて下さい。
一人言でブツブツ、内情を吐露されては観る人も興ざめしてしまいますよね。

説明ゼリフはほどほどに!

もう一点、気をつけて頂きたいのは、ストーリーを展開させるための“説明ゼリフ”になっていないかという点です。状況や設定をストーリー上で描くために、説明的なセリフを喋らせてしまいがちです。特に初心者は、ト書きの技術やストーリーの構成技術が未熟なために、セリフだけで展開させてしまいがちなのです。少し、大袈裟な例をあげます。



<例>

太郎「しまった! おじいちゃんの大事な壺を割ってしまった。どうしよう、五百万円もする壺なのに……ああ、おじいちゃんがそろそろ帰ってくる時間だ」



ちょっとがっかりするセリフですね。
割れた壺がおじいちゃんお宝物であること、それが五百万円もすること、さらにおじいちゃんが間もなく帰ってくることまでがセリフで説明されています。実際、自分が割った時にわざわざそんなことを言うでしょうか?
どれほど高価で大事な壺なのかはもっと違う方法でも表現できる筈です。それを上手く書けるようになると、シナリオのレベルも一段アップしますよ。
作者の都合で登場人物に喋らせ過ぎないよう十分に気をつけて下さい。
もっとも、全く説明してはいけないということではありません。
より、わかりやすくさせるためにも、適度な説明は必要になってきます。
この説明具合のバランスは書いていくことで、どんどん上達していくと思いますので、最初の頃はあまり考え過ぎずに思い切って書くことも大事ですよ。

……は、なるべく書かないほうがいい!

■もう一つ、これから書き始める皆さんに気をつけて欲しいのは

「……」を書き過ぎないこと。……では、登場人物が何を考えているのかがあまり伝わりません。
悔しいのか、悲しいのか、どれほど悔しいのか、感情もなるべく、仕草や小道具をうまく使ってト書きで表せるよう頑張って下さい。
もちろん、すべてにおいてト書きで説明していてはテンポが悪くなりますし、書いてはいけないというわけではありません。ただし、安易に……を書いていては、なかなか上達しないことを肝に銘じておいて下さいね。



■セリフは、声に出して読もう!

思いを込めた渾身のセリフの筈なのに、観る人に違和感を与えるセリフがばしばしばあります。そんな風にならないためにも、ぜひ一度書いたセリフを口に出して読んで下さい。

黙読と違い、声に出して読むとそのセリフがどれだけリアリティのあるものかはかることが出来ます。
プロの作家でも自分で書いたセリフを声に出して読むことは多いんですよ。
「こんな回りくどい言い回しはしないな」とか、「ちょっと言いづらいな」など、声に出して読むだけで、ずいぶんと発見出来ることがあります。

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